2020年10月にバタフライガーデンに飛来したアサギマダラがキジョランに卵を産んだのを11月1日に発見。このうち3個の卵が孵化しこのうちの1幼虫が蛹化)(ようか)、蛹(さなぎ)となり3月27日に羽化しアサギマダラ蝶となった。羽化までには147日かかっている。
11月1日
11月12日
11月21日
12月30日
1月13日
1月30日
2月2日
2月13日
2月14日
3月26日
羽化の兆し色に変化が現れる
3月27日 朝9時過ぎ
脱皮が始まる
蝶の姿が現れる
9時22分
翅が伸び始める
翅が伸びながら上に昇り始める
翅は濡れてくっ付いている
移動を始める
まだ翅は乾いていないが移動をする
カーテンがお気に入り
3月29日 翅が開き飛ぶ
花に置いてみるが光は吸わない
砂糖水を与える なかなか吸わない
一頭目の蝶は右翅が少し歪んでいて高く飛ぶことが出来ずすぐに飛ぼうとしても墜落する。蜜は手で掴んで蜜のある場所に持っていくとそのうちに吸管を出し蜜を吸うことを覚えるようになった。が、相変わらずに死ぬまで手でその場所まで運ぶことになった。
2頭目が羽化
4月6日11時45分頃
4月7日8時00分
12時過ぎ羽化
4月7日8時37分
12時18分
4月16日13時10分
12時21分
4月18日9時
12時30分
4月20日9時
4月23日8時30分
4月25日9時
4月29日11時
5月1日8時55分
5月1日
5月19日8時
5月26日11時
6月16日17時10分
17時20分
最後の4枚の写真は最初に羽化した蝶
この蝶はほとんど飛ぶことが出来ず翅はボロボロになりながらも蜜は最後まで吸うことができた。
蜜は綿花にしみこませた砂糖水やポカリスエット
4月6日羽化した蝶は5月11日死ぬ。35日間生存
5月19日標本作成6月12日に標本保存
3月27日に羽化した蝶は6月16日18時に死ぬ
88日間生存
6月23日標本作成
7月27日標本保存
考察と感想
アサギマダラの卵発見から羽化までを観察してきました。
キジョランに産み付けた卵を発見してからどのようにすれば無事に羽化できるかが課題でした。卵も無事に3個が幼虫になりその幼虫もどのように保護しながら羽化できるかを考え続け、1幼虫はバタフライガーデンの囲いの中で観察をすることに。2幼虫は自宅に持ち帰り観察を続けることにしました。残念なことにバタフライガーデンの囲いの中での幼虫は蛹になる前に姿を消し見当たらず仕舞い。家で育てた幼虫はそれぞれ羽化しました。
卵から羽化まで約4ヶ月かかった蝶2頭のうち先に羽化した1頭は羽の変形で飛ぶことが難しく蜜も自らは吸えずに手で蜜の場所に蝶を置いて吸わせること一日2、3回を繰り返しやっと慣れて蜜を吸うことを覚えて88日間生存。もう一つ遅れて羽化した蝶は形もきれいで少し飛べたがなかなか蜜を吸うことが出来ずそれでも35日間生存しました。
飛べない蝶は栄養のこともあったと思いますが、やはり翅を動かすことができないので翅はボロボロになって痛々しい姿になっていきました。が、痛々しく翅の麟が半分以上剥がれても生きるその姿にこの蝶の生命力のすばらしさを感じることが出来ました。
外に出してやりたいが飛べないので室内だけで我が家のカーテン越しで外を眺めていただろうと思うといつも胸が痛くなりました。蜜を吸わなくなってほとんど動かなくなり手のひらに載せて最後の姿を見届けました。
最後は自分で体位を変えて腹部を上して逝きました。幼虫からずっと我が家に居た家族のような蝶の最後の小さな姿に感情がこみ上げて涙が溢れてどうしようもなかったのです。この蝶たちの最後の姿は大切なデータとして保存することがよいという専門家のアドバイスをいただき標本にすることにしました。この蝶たちが私達友の会の会員にくれたアサギマダラの資料のプレゼントと思い大切に保存するつもりです。この蝶たちに関して携わった仲間たちにも感謝致します。